2009/02/16

騙す人、騙される人

何か最近「振り込め詐欺」を始めとする詐欺のニュースがやけに耳につく。
ところでこの振り込め詐欺というネーミングはどうかと思うけど。最近じゃバイク便で配達指定とか多いみたいだし。
それはさておき、昨日見た詐欺の手口を紹介する番組にはギョッとした。
手口があまりにも幼稚というか、雑というか。詐欺の手口は「振り込め詐欺」に代表されるように、考えた人の知能レベルを反映しているせいだろうが、基本的にアホだ。昨日見たやつはアホさ加減にさらに磨きがかかっている。その手口はこうだ。

1. まずネットなどで割のいいバイトがあると宣伝する。
2. 欲深い怠け者(媒体が携帯ネットが主流なので、若者がターゲット)がパクリと食いつく
3. 「面接官」と呼ばれる、これも欲深い若者が面接と称し仕事の説明をする
4. 明らかにおかしなうまい話に何の疑いも持たず、金に目がくらんだ若者がまんまと騙される

肝心の騙しの手口はというと、こんな流れになっていた。

a. まず、携帯電話を応募者の名前で契約させる
b. 契約した携帯はそのまま詐欺グループに渡すよう支持。支払い請求等は無視するようアドバイス。
c. それで3~5万円あげるという。
d. 応募者が、やっぱりやらないなどと言うと、もっと割りのいい仕事を紹介する
e. 消費者金融(サラ金)でまとまった額(100万円とか)を借りるよう支持
f. その金を回収。その際「企業家」と呼ばれる人の借用書等を渡す。
g. 結局金は返さずドロン。100万円ゲット。

突っ込みどころが満載していると思うがどうか。
まず b. のところでこれは明らかにきな臭いというか犯罪だし。まぁそれを分かった上で軽い気持ちでやってやろうか、とでも思ってやるんだろう。やる人は。ここまではまぁいい。ほんとは駄目だけど。問題はそこから先の d と f。
背景はこんな感じだ。ある「企業家」と呼ばれる人がいて、夜の事業(キャバクラとか)を手広く展開するのに金が必要であると。その金を、面接官はじめスタッフが個人的に借金して工面している。あなたも借金して資金を提供して欲しい。資金提供の方法としては、その企業家が借用書を一筆したためると。それと共に、住民票や免許証とかもコピーをお渡しします、証拠のために。そうすれば額面借金の数パーセントを報酬として提供します、ということだ。

アホか。
まず自分の名前でした借金は自分が返すのが当然だ。常識以前のもっとプリミティブなものだ。
それから、銀行とかベンチャーキャピタルとか、そういうところから金を借りられない「企業家」に金を貸そうとする非常識。事業計画がきちんとしていれば、夜の事業だろうが何だろうが、ちゃんと返せると判断されればどこからでも金は借りられるはずだ。銀行なりサラ金なりは元本ちゃんと回収できて金利で利益が上がればいいんだから。それをどこの誰だかわからない若者に借りる、しかも「企業家」は通常金利で支払うよりも結局は多い金額を報酬+返済で支払わなければならない。こんなシステム明らかにおかしいし。

騙す人はどの世界にもどの時代にもいる。騙される側もたいていの場合、非のない被害者だ。善良な人の良心につけこんだ、大変卑怯で恥ずべき行為が詐欺である。しかし騙される側が、怠けていても金を儲けたいという愚かな考えで、しかも明らかにおかしな話にまんまと引っかかるというのはどうだろうか。同情の余地はない。
騙した方が罰せられるのは当然だが、欲ボケ馬鹿が金に目がくらんで詐欺者に勝手に金を貢ぐようなこのケースでは、罰することまではしないまでも、救済など期待すべきではない。ましてや同情の余地などかけらもない、というのが僕の考え。

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