2010/05/11

日本市場立ち上げって難しいよねという話

来週、タイに行くかもしれない。もちろん仕事で。
ただ今日の段階でまだ予定が確定していないというのは若干不安だが。それにしてもバンコクの政情はどんなもんか。バンコク在住者の情報によれば、つい最近もバンコクの街中で発砲があったとか。大丈夫かな。


先日、某コンサルタントというか、いろんな会社を立ち上げたり売ったり、誰もが知っている様々なグローバル企業の社長とか役員みたいなのを歴任してきたというアメリカ人のインタビューを受けた。インタビューというとアレだが、日本市場での事業立ち上げに際し、実際に日本に住んで、日本市場を担当している僕の意見も参考にするため、いろいろとディスカッションをした。そのインタビューは僕だけでなく、その他アジア諸国に在住していて、日本のビジネスに関わってきた人たちも対象。で、そのアウトプットとして、第一段階のドラフト提案資料みたいなのが今日来た。

「今の日本の担当者イラネ」とか書いてないか、小心な僕は非常に心配であったが、幸いそういう記述はなく、非常に前向きにこうしたらどう?みたいなのが、パワポで何十ページも書いてあった。その人は日本語もペラペラで日本市場にも精通しているんだが、やはり日本というマーケットは特殊で、他のアジア諸国と同じパターンで米国の製品を展開しようとしても、多くの場合失敗に終わるという。

英語圏はもちろんだが、それ以外でも日本や韓国を除く南アジア諸国などでは、比較的米国の製品がそれ程大きなカスタマイズなしに受け入れられることが多い。うちの製品もそうだ。ベトナムを始めとする南アジア諸国、アセアン諸国では製品をそのまま持ってきてプロジェクトが開始できた(もちろん各サイトに合わせたカスタムは必要)。しかし良い悪いは別にして、日本ではなかなかそうはいかない。やはり日本の市場や商習慣等に合わせたカスタマイズがどうしても必要になるケースが多い。

ところが日本で展開するにあたり、最初に投入したリソースが「営業」だ(僕)。ここに問題がある。製品をそのまま持ってきて利用できる場合は、最初にセールススタッフを投入するのは効果的ではあるが、日本市場の場合得策ではないというのが、コンサル氏の意見。綿密な市場調査に基づいてまず始めに製品のカスタマイズから入るのだそうだ。つまり、プロダクト・マネージャ的な存在が最初にあり、その後マーケティングスタッフ、営業、という風にリソースを投入していくというのが理想だとか。鶏が先か卵が先か、という議論があるが、先にガツンと投資をして製品をこの特殊市場に合わせてしまい、それからビジネス展開すると。その辺りはいわゆる「外資系」は結構シビアで、大抵はプロジェクトありきで、プロジェクトがある場合はカスタマイズしますよと。しかもその費用は当然取る。それじゃやっぱり厳しいよねというのが僕の感覚的な印象だったわけだが、やはり日本市場に精通するこのコンサル氏も同意見であったのは心強かった。

あと、うちの場合基本的な営業スタイルは「ダイレクトセールス」であるが、日本は比較的チャネルセールスが多い。特にうちのような新規参入外資の場合、ダイレクトに顧客に食い込むのは至難の業だ。しかもターゲットとしているセグメントは製造業だったり物流だったりと、新規参入するには障壁が比較的高い業界が多い。日本のビジネスの場合、エンドユーザーとそこに出入りする業者(SIなど)の関係が非常に重要だったりする。かなり濃密なな関係を構築している場合が多いので、その辺りのパートナーシップに関しても再考、というか構築する必要がある。

と、ここまで書いて思ったが、つまり営業の僕は現段階では不要ということを言っていないか?しまった、、騙されたか。いやいや、プロダクト・マネージャが必要とあらば、それに手を挙げるまで。SEが必要ならば、俺元々SEだしと開き直ろう。いやBDM (Business Development Manager) がと言われれば、ああ正に今BDM的なことやっとるけど何?と言えばいいや。時にはこういう図々しさも大事ということで。

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