2007/03/22

ちょっと足りないくらいがいい

顧客満足とかカスタマーサティスファクションとか、まぁ全く同じことだけど、よく言われている。お客様第一主義とか。まぁそう言いたい気持ちも分からないでもないけど、僕はそうじゃないとずっと思っている。組織的に仕事をする上で一番大事なのは、(自分とか家族とかいうのは当たり前なので置いといて)、従業員第一主義・employee satisfaction だ。客は2の次。

よく思うんだけど、提供するサービスとかにかかるコスト(労力とかもろもろ)と効果(顧客満足とかサービスの質とか)の関係って、下の図みたいな感じで、日本は相当先まで進んでいると思う。


つまり、ちょっと効果を上げるのに、多大なコストがかかる状態だ。
例えば、郵便物を夜9時に配達するように指定したら、ちゃんと持ってくるとか、業務を遂行する上でほとんど影響のない些細なソフトウェアのバグとかを、ウン十人月とかのスケジュールを組んで直すとか。たった一つのフォントを半角で出すためだけに、無茶な要求をしてくるとか・・・。

そういうのって、確かにサービスの利用者にとってみれば、悪くないのかもしれないけど、サービス提供者側からすれば、とてもツライ。しかも往々にして、そういう場合のコストはサービス提供者側が負担している。しかしビジネスとしては成り立っている。どういうことかと言うと、従業員に全てしわ寄せが来ている。

サービス残業とか、有給を全く消化しない(できない・させない)とか、そういう昭和時代のような事が21世紀になってもまだまだ残っているのが、残念ながら日本の企業のほとんどじゃないだろうか。

消費者のわがままに答えようとするのは、多分商売の基本だと思うけど、それもある程度までにすべきだ。ある一定以上の水準にサービスが到達すると、それ以上はもう相当コストが掛かるものだと、消費者は理解すべきだし、サービス提供者もそのように振舞うべきだ。

そうなると、今の不必要に便利な世の中に慣れてしまった人たちは、ちょっと不便に感じるかもしれないけど、それくらいが丁度いいんじゃなかろうか。ちょっと足りないくらいがいいよ、きっと。きっとみんなもう少しHAPPYになると思う。

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