2007/07/09

隠蔽体質ニッポン

こないだとあるメーカーに行った。
うちの製品で発生していた問題に関する報告をするためだ。
まぁ文章に起こしてある通りの内容をほぼ口頭で説明するというものだが、その時点で日本の労働生産性の低さが理解できた。書いてあるじゃん。あとは電話会議でもいいじゃん。ま、顔を突き合わせて話をする大事さも理解しているつもりだから、こういう機会はあってもいいとは思うが。

それはそれとして。
問題を隠蔽しようとするのだ。
その会社は、多分誰でも聞いたことある、日本を代表する企業の一つだ。そこがシステムを提供していて、うちはそのシステム内で使用する、とあるデバイスを提供している。そのデバイスを、今回特別にこのプロジェクト用にカスタマイズして提供したが、それに不具合が発生した。

時間はかかったが(かかりすぎたが)、一応それぞれの問題に修正を提供したり、回避策を提案したりした。提案した回避策についてその会社の担当者が、
「言えねぇよなぁ、そんなの。今さら・・・」
と言う。
まぁ確かにこれこれこういう仕様で提供しているシステムではあるが、このまま使い続けると下手をすると人の命に関わる事故に繋がる可能性もゼロではない。それを「言えねぇよなぁ」と、できれば隠そうとする。

なるほど。この体質がとんでもない事故に繋がるわけか!と目からウロコが落ちた。実際そこは最近トンデモナイ事故を起こしてるし。それも内部ではとっくに分かっていたんだろうなぁ。その事故では幸い死人は出なかったと記憶しているが、出ても全然おかしくない事故だ。

何でこんな風になったのか。多分ミスとかエラーとかは絶対あってはならない、間違えると恥ずかしいんだ、なんていう環境で育ってきたせいかと。それが企業に入ってさらに増幅された。もちろん、システム自体にはミスやエラーはあるべきではないけど、バグのないソフトはないと言われているように、あらゆるシステムにミスはつき物だ。人が作るものだからしょうがない。

これをいかに、被害を未然に防いだり最小限に抑えるなりしつつ、リカバリーしていくかが大事ではないかと。そうするためには、早期の情報ディスクローズが大事で、隠蔽していると見えないところで被害がどんどん大きくなって、仕舞いには収拾がつかなくなる。人が死ぬ。

正直に、やるべきことをさっさとやって、言うべきことをきっちり言えば、みんなきっともう少し楽になるんだろうになぁ、と思う。バカ共め。

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